【注意喚起】三井住友×SBIが準富裕層を狙う?「Olive」経由の新資産運用会社に要注意なワケ

■ はじめに|お金のニュース、見逃してない?

2025年6月17日付けの日経新聞が報じた一件のニュースが、資産形成層に大きな波紋を広げています。

「三井住友とSBI、準富裕層に資産運用提供 新会社発表 『オリーブ』介し専門家助言」

要するに、三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMFG)とSBIホールディングスが手を組み、「準富裕層」に向けた本格的な資産運用サービスを始めるための新会社を設立するという内容です。

資産形成に成功し、数千万円単位の資産を築き始めた人にとって、まさに「次はあなたがターゲットです」という警告灯が灯ったようなもの。

「自分には関係ない」と思った方こそ、ぜひ本記事を最後まで読んでください。
なぜなら、うまくいっていた資産形成を「損するステージ」に変えてしまうリスクが、このニュースに潜んでいるからです。

■ Olive(オリーブ)ってなに?

「オリーブ(Olive)」とは、2023年3月にSMBC(三井住友銀行)がリリースした次世代型金融サービスです。

一言でいうなら、「楽天経済圏」や「PayPay経済圏」に対抗する形で構築された、“顧客囲い込み型”の金融サービスプラットフォーム。

▼Oliveの主な特徴
• クレジットカードとキャッシュカードが一体化
• 支払いごとにVポイントが高還元で貯まる
• Vポイントは投資・ショッピングに使える
• 専用アプリで資産の一元管理が可能
• 初心者向けにSBI証券との連携がスムーズ

サービス開始からわずか2年で、ユーザー数は570万人超。
この「囲い込みフェーズ」がひと段落した今、SMFGは「次のステージ」に進みます。
それが――

■ Olive × SBIが始める「準富裕層向け資産運用ビジネス」

ニュースによれば、SMFGとSBIが設立する新会社のミッションは明確。

「数千万円規模の資産を保有し始めた人たちに、有人による質の高いコンサルティングを提供する」

このターゲット層、まさに「準富裕層(金融資産3,000万円~1億円未満)」と呼ばれる人々です。 この層は、いわばインデックス投資で成功し始めた人たちが最初に訪れる資産形成の中間地点。

しかし、ここで気をつけてほしいのが、

「このままインデックス投資を続けていれば、富裕層になれたはずなのに、よくわからない投資に手を出して資産を減らす」

という“あるある”落とし穴。

SMFG・SBIの狙いは明確です。
顧客に
• 個別株
• 債券
• 非公開資産(PE、不動産、インフラ等)
への投資を促し、手数料ビジネスを拡大すること。

そして、この新会社は「3年で黒字化」「5年で税前利益100億円」を目指すとのこと。
つまり、あなたのお金が「その利益目標の原資になる可能性が高い」というわけです。

■ なぜこの動きに要注意なのか?3つの理由

では、なぜこの「準富裕層向けサービス」に注意すべきなのか?
私の考える3つの理由をお伝えします。

理由①:「資産運用コンサル」の正体は「営業マン」

金融機関の多くが掲げる「富裕層向けコンサルティング」ですが、実態はこうです。
• 自社の手数料が高い商品を提案
• 長期インデックス投資を辞めさせる
• 成果より「手数料収益」を重視

つまり、“あなたの資産を増やす”ことより、“自社の売上を増やす”ことが主目的なのです。

「高級なスーツを着たスマートな人に持ち上げられて、気持ちよくなって契約してしまう」
それが彼らの「営業トーク」の真骨頂。

理由②:非公開資産に“甘い話”なし

彼らが提案してくるのは、よくある次のようなものです。
• 上場前の未公開株
• 大口限定の海外不動産ファンド
• インフラ債券、PEファンド

「富裕層限定の特別な案件です」「機関投資家も注目している投資先です」
こんなセリフに聞き覚えありませんか?

でも、冷静に考えてください。
資産数千万円レベルの「準富裕層」に、本当に美味しい話が回ってくるでしょうか?

結論を言えば、「回ってきません」。
そもそも、こうした非公開資産は情報の非対称性が極めて大きく、失敗すると回収不能なケースも多い。
過去にも数多くの詐欺まがい案件が横行しました。

理由③:すでにうまくいっている方法が最強

最後に一番伝えたいのはここです。

あなたが準富裕層になれたのは、なぜですか?
• 毎月の積立投資を継続したから
• 支出管理を徹底したから
• 詐欺やボッタクリ商品を避けてきたから

ですよね?
であれば、「その方法をそのまま継続すること」こそが最も合理的な選択です。

「資産が増えたから、運用方法を変えなきゃ」
この発想が、むしろ資産を減らす原因になることが少なくありません。

■ 金融機関の「営業」に騙されないために

コンサルティング営業が口にするセリフは、非常に巧妙です。
• 「この案件は、富裕層の間で話題になってまして…」
• 「非公開案件ですが、信頼できる筋から入っています」
• 「この機会を逃すと、次はいつご案内できるかわかりません」

ですが、ここで思い出してください。

あなたの資産を守れるのは、あなた自身の知識と冷静な判断だけ。
どんなにスマートな話し方をする営業でも、資産を減らしてくれたら意味がないんです。

■ 「準富裕層」は最も危険なターゲット

実は、金融業界にとって一番“おいしい顧客層”が、この準富裕層です。
• お金は持っている
• でも投資の専門知識はそこまでない
• 成功体験で自信がある

この3つが揃っている人ほど、営業トークに乗せられやすい。

だからこそ、今回のような動きには特に警戒が必要です。

■ まとめ|「うまくいってる投資」は続けてOK

本記事のまとめとして、以下のポイントを押さえてください。

▼今回の要点
• 三井住友FGとSBIが、準富裕層向けの資産運用会社を設立
• Oliveユーザーで資産数千万円レベルが主なターゲット
• コンサルティング営業には「儲けより手数料優先」のリスク
• 非公開資産の提案には慎重に対応を
• 今の成功法(インデックス投資、倹約、継続)を信じてOK

■ おわりに|「お金の誘惑」に負けないで

金融業界は巧みに言葉を操ります。
あなたの資産を狙って、笑顔で寄ってくる人たちは、実際には「営業マン」でしかありません。

だからこそ、あなたの資産を守る最後の砦は、知識と冷静な判断です。

このブログでは、今後もこうした動きをウォッチして、必要な警鐘を鳴らしていきます。
「準富裕層」「資産形成層」だからこそ、気持ちよくなる投資ではなく、“堅実に続ける投資”を選びましょう。

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