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はじめに|「避難所には行かない」という選択肢
大規模災害が起きたとき、避難所に人が殺到し、入れなかったり、感染症やプライバシーの問題で「車中泊」を選ぶ人が年々増えています。
実際、令和6年(2024年)の能登半島地震では、避難者の2割以上が車中泊をしていたという調査結果も。
本記事では、防災士の視点から「災害時に車中泊に向いている車とは?」を解説し、防災×アウトドアの観点から選ぶ“動く避難所”としてのクルマ5選をご紹介します。
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なぜ今、「車中泊に強い車」が注目されているのか?
• ✅ 避難所の混雑・感染症リスクを回避できる
• ✅ ペット連れや介護が必要な家族と避難できる
• ✅ 電源・暖房・就寝スペースを確保できる
つまり、「車中泊に向く車」は、**家族の命を守る“移動型防災拠点”**になるのです。
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車中泊に向く車を選ぶ3つのポイント
① 室内空間の広さ・フルフラット化できるか?
車中泊で最も大事なのは「眠れること」。
シートを倒して**完全に横になれるか?**が判断基準。
② 電源・給電システムがあるか?
災害時、スマホ・LEDライト・ポータブル冷蔵庫などの電力確保が重要。
100Vコンセントやアクセサリーソケットの有無・数も要チェック。
③ 荷物収納・遮光性・断熱性
長期避難や物資の備蓄には収納力が必要。
加えて、遮光カーテンやサンシェード装着のしやすさも重要ポイント。
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防災士が選ぶ!車中泊に向いているクルマ5選(2025年版)
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① ホンダ・N-BOX|軽自動車なのに広さ最強
• ✅ 室内高1,400mmで圧迫感なし
• ✅ フルフラットシートで足を伸ばして寝られる
• ✅ 後席を跳ね上げれば広大な荷室に
おすすめ理由:軽キャンパー仕様にもでき、燃費・維持費も安いので災害時の移動・停車にも強い。
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② トヨタ・シエンタ|ミニバンなのにコンパクトで使いやすい
• ✅ 3列シートで荷物スペース確保
• ✅ フルフラット対応+USB電源標準装備
• ✅ 両側スライドドアで避難時の乗降も安心
おすすめ理由:小型で小回りが効くのに広い。都市部の避難や家族避難に最適。
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③ ホンダ・ステップワゴン(AIR or SPADA)
• ✅ 全長4.8m超のワイドボディ
• ✅ フルフラットシートで2人以上の就寝も可
• ✅ 車内コンセント+オプションで給電機能あり
おすすめ理由:「家族全員で避難」を前提にした広さと安全性のバランスが高い。
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④ トヨタ・ハイエース バンコン仕様(DIY・キャンパー人気)
• ✅ 荷室が“完全にベッド仕様”にできる広さ
• ✅ 発電機・ソーラー・キッチン設置も可能
• ✅ 簡易トイレ・断熱材施工などカスタム性◎
おすすめ理由:本格的な防災仕様車として“自宅代わり”の役割を果たせる。
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⑤ スズキ・エブリイ(軽バン)|実は“防災仕様”として最強説あり
• ✅ 軽なのに長尺荷物も積める
• ✅ 後席フラット+目隠しカーテン装備が簡単
• ✅ 走破性&低燃費で長期避難にも耐える
おすすめ理由:価格も手頃でカスタム自由。ソロ避難や夫婦避難に最適。
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番外編:EV・ハイブリッド車の給電機能が“命を救う”
災害時の**「電源の確保」**は、情報収集・家電使用・生活の快適性に直結します。
• ✅ トヨタ・プリウス(AC100V/1500W給電)
• ✅ 日産・サクラ(EV、災害給電モード)
• ✅ 三菱・アウトランダーPHEV(災害時は発電機にも)
→ 車を「動く発電所」として活用する家庭が増えています。
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まとめ|“動く防災拠点”としてのクルマを見直そう
災害時に命を守るのは「食料・水・情報」だけでなく、**“安心して過ごせる空間”**です。
その意味で、車中泊に適した車は、災害対応力を高める最強のツールとも言えます。
✅ フルフラット&電源がある車を
✅ 車載防災セットを常備
✅ 家族と“車中泊訓練”をして備える
いざというとき「どこでも眠れる」「動ける」クルマは、あなたの命を守る避難所になります。
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