はじめに|退職後の健康保険、どうする?
「会社を辞めたあと、健康保険ってどうすればいいの?」
そんな疑問を持つ人は多いはず。実は、会社員時代に加入していた健康保険を退職後も“継続できる制度”があるのをご存知ですか?
それが「任意継続被保険者制度」です。
• 退職後も、会社の健康保険を最大2年間継続可能
• 条件を満たせば国民健康保険より保険料が安くなることも!
この記事では、「任意継続制度」の基本から、お得になる条件・判断基準・注意点までわかりやすく解説します。
第1章|任意継続制度とは?
任意継続とは、会社を辞めたあとも、会社員時代の健康保険に最大2年間加入し続けられる制度です。
ただしポイントがあります。
【任意継続の基本】
• 加入条件:退職前に継続して2か月以上の加入実績
• 申請期限:退職日の翌日から20日以内
• 保険料:自己負担が全額(会社負担が無くなる)
一見すると「保険料が倍になるなら高くなるのでは?」と思われがちですが、条件によっては任意継続の方が安くなることもあります。
第2章|任意継続と国民健康保険、どっちが得?
判断ポイントは以下の2つです。
標準報酬月額と保険料の仕組み
健康保険の保険料は「標準報酬月額 × 保険料率」で計算されます。
ただし任意継続には、標準報酬月額の“上限”が設けられており、収入が高い人ほど保険料が抑えられる仕組みになっています。
【具体例】
• Aさん(40歳・東京都在住・月収44万円)
• 国民健康保険料:45,000円/月
• 任意継続:上限32万円の報酬月額で算定 → 約37,000円/月
→ 任意継続の方が月々8,000円安い!
扶養家族の有無
任意継続では扶養家族を無料で保険に含められますが、国民健康保険には「扶養」という考えがありません。
そのため、配偶者・子どもがいる場合、国保だと世帯人数分の保険料がかかります。
第3章|任意継続のメリットとデメリット
メリット
• 高収入・扶養家族ありなら保険料が安くなる
• 医療費負担や給付内容が継続される
• 自営業やフリーランスへの移行時も安心
デメリット
• 保険料は全額自己負担
• 最長2年間までしか継続できない
• 途中でやめると再加入不可
• 毎年の報酬月額上限が変わる(確認必須)
第4章|損しないための判断ポイント3つ
- 保険料シミュレーションをして比較!
退職前に、次の2つを比較しましょう。
• 自治体の国民健康保険料(Webや窓口で確認)
• 任意継続の保険料(協会けんぽや健康保険組合サイト)
- 「20日以内の申請期限」を守る!
任意継続の申請は、退職翌日から20日以内に行う必要があります。
期限を過ぎたら二度と加入できないので要注意です。
- 将来設計にあわせて判断する
• フリーランスとして独立する予定がある
• 再就職の予定がまだない
• 扶養家族と暮らしている
ライフスタイルや将来の収入も踏まえて選びましょう。
第5章|よくある質問(Q&A)
Q. 任意継続は途中でやめられる?
→ 原則2年までですが、以下の場合は途中脱退できます。
• 新しい健康保険に加入した
• 保険料を支払わなかった(滞納)
Q. 給付内容はどうなる?
→ 変わりません。
傷病手当金、出産一時金など、資格要件を満たしていれば受け取れます。
Q. 保険料の支払いはどうする?
→ 振込や口座引落し。滞納すると自動的に脱退になるので注意しましょう。
まとめ|任意継続を選ぶべき人はこんな人!
任意継続が向いている人の特徴は?
• 退職前の給与が高かった(年収400~500万円以上)
• 扶養家族がいる
• 医療費の不安が大きい
• 国民健康保険料が高くなりそう
保険料は「ケースバイケース」ですが、任意継続は“損しないための重要な選択肢”。
「制度は知っているけど活用できなかった」とならないように、退職前からしっかり準備しておきましょう!
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